果実をより大きく、甘く、美味しくするためには適度な数量の管理が必要不可欠となる。整枝剪定、摘花摘果、誘引はそのための作業だが、一方で細かい作業も多く、労働時間が膨らみがちだ。いずれも体への負担が大きい。
また、労働のピークが収穫時期などの短期間に集中するため、臨時的な雇用確保が必要など労働集約型の構造となっている。とはいえ、昔よりも果樹農業者は減少し、高齢化も進んでいるため、労働力の確保は容易ではない。
そこで問題解決策の一つとなるのが「機械化」だ。現在、農家を助ける便利なアイテムが続々発売されている。これを機に、導入を検討してみてはいかがだろうか?
今回のおすすめアイテム
1. 甘く大きい果物を育てる「秘訣」は?
【整枝剪定】
不要な枝を切り取り日当たりや風通しを良くして(剪定)、樹形を整える(整枝)ことをまとめて「整枝剪定」という。病害虫を防止し、樹木を枯らさないために不可欠な作業だ。栄養が木全体に行き渡るように美しい樹形を維持するという目的もある。
基本的には、樹木が休眠している冬の間(12月~2月)に行うと良い。太い枝の場合は力任せに切り落として樹木にダメージを与えないように、あらかじめ切り込みを入れるなど注意が必要だ。
【摘花摘果】
大きく味の良い果物を実らせるため、結実した果実の一部を小さいうちに間引いたり(摘果)、その予備作業としてつぼみや花のうちに間引く(摘花)いわゆる「摘花摘果」は、花の付き始めから実のなり初めの時期にかけてピークを迎える。摘花はざっくり行うことが多いが、摘果は奇形などを見定めながら作業しよう。
【誘引】
「誘引」とは、植物のつる同士が絡まったり、日当たりが悪くなったりして成長を阻害しないように、茎、枝、つるをヒモなどで支柱に結びつけて固定する作業のこと。整枝剪定の過程で、風通しや日当たりなどを気にかけながら行っていく。実が大きくなる果物などは、苗を植え付ける時に支柱に茎を結ぶことで、茎が上に伸びるようにできる。
2.手作業の負担を軽減!
整枝剪定、摘花摘果、誘引といった作業は作物の品質を左右する重要なものだが、同時に体への負担も大きい。問題解決策の一つとして機械化があり、適したアイテムが続々登場している。もしこれらの作業に負担を感じているようなら、ぜひ導入を検討してみよう。
【電動剪定はさみ】
整枝剪定ハサミには、手動と電動の2種類がある。手動の場合、価格は手ごろだが、切れ味が悪ければ手を痛めたり、樹木を傷つけたりしてしまう恐れがある。仮によく切れるハサミだったとしても、数千、数万と切っていくうちに筋を痛めたり、腱鞘炎になるといったこともよくある話だ。
そうした経験がある人は、電動の充電式剪定はさみの活用を検討してみよう。例えば、マックス社の「ザクリオ」は「両刃可動」によりハイパワーを実現しており、日本人の手に合わせたグリップで握りやすい、リュックサックタイプによって背中にフィットして動きやすいといった設計が施されている。
【強保持力テープナー】
梨やブドウをはじめとした果樹の実がなる枝(結果枝)の元の枝(結果母枝)の誘引は、冬に行う重労働で、寒さで手が荒れてしまうケースも多い。そんな誘引作業の効率を、手作業の約3倍アップするのが「果樹・苗木向け強保持力テープナー HT-S45E」だ。
ひもの結び方が判らなくても、簡単に誘引作業が行え、ワンタッチ式スライド装填でテープもラクに装填できる。
3.大変な手作業も賢く効率化しよう
整枝剪定、摘花摘果、誘引をうまく機械化できれば、無理なく果物の収穫量を増やせるし、品質の向上も期待できる。肉体への負担を軽減できれば、その分だけ農場経営に時間を割くことができるだろう。これらの作業を効率化させるアイテムの数々を、本展示会で公開中だ。製品の詳細については、各ブースから直接問い合わせしていただきたい。