環境を知り制御することで多くのメリットが生まれる
今やスマート農業の代名詞になりつつあるのが、見える化サービスと環境制御装置である。特に見える化サービスは導入が比較的容易である割に効果を体感しやすいため、若い世代の農業生産者が多く導入しており、今は普及期にあると言って良いだろう。
見える化サービスを導入することで、ハウス内環境を知ることができる。温度・湿度・CO2濃度といった各パラメータが数値で分かる。多くのサービスはクラウド化されているから、離れた場所にいてもハウス内環境を知ることができるほか、規定値から外れた場合にはスマートフォン等にアラートをくれる。データを蓄積できるサービスも多く、過去との比較等も可能だ。また画像等から作物の生育状況等を診断するサービスも登場する。これも見える化サービスの一つと言えよう。
見える化に加えて環境制御機能を加えたサービスも存在する。このタイプは測定した環境データを一定のアルゴリズム等に応じて暖房機やカーテン、天窓、CO2施用機などの設備を操作して環境制御を行ってくれる。見える化サービスより高度な仕組みだから高価ではあるが、高効率である。
現在、市場には多種多様な見える化サービス・環境制御装置が存在している。自身のニーズと経営規模を考慮したうえで、最適なサービスを選んで欲しい。以下に、その選び方のポイントを紹介しよう。
見える化ツール・環境制御装置の選び方
1. 見える化サービスはアフターサービスを重視
見える化サービスは多数存在するうえ、一見するとその機能に差がないように見える。取得するパラメータは同じだし、ほとんどがクラウドサービスであり、多くはアラート機能を搭載している。そこで重視して欲しいのが、アフターサービスである。ハウス内環境を見るだけでなく、いかに使うか、が大事だからだ。良心的なメーカーは講習会を開催したり、ユーザー会を結成するなど、見える化の次の一歩を踏み出せるよう、アフターサービスを充実させているのだ。
2.環境制御装置は機能を入念にチェック
環境制御装置もまた、見える化サービスと同じく、多種多様な製品が市販されている。こちらは製品によって機能がまったく異なる。遠隔操作ができるのか、既に導入済のハウス内設備とマッチングできるのか、また設定の自由度も異なる。環境制御装置は安価な買い物ではないから、導入前に機能を入念にチェックして欲しい。低コストで導入したい場合は、DIYで自由に拡張できる低コスト導入が可能な環境制御システムも存在するので、検討してみると良いだろう。
3. ハウスのサイズ・経営規模にマッチした製品を選ぶ
選び方のポイントの最後は、自身のハウスのサイズ・経営規模にマッチした製品を選ぶ、ということ。 どんなに優れた製品を導入しても、生産規模がマッチしていなければ、収益増加に結びつけるのは不可能だ。また、導入にあたって生産者ごとにそれぞれ、狙いがあるはず。それが収量増なのか、コスト抑制なのか、あるいは作業効率向上なのか……それによって適した製品は異なる。施設園芸協会が発行する資料「(別冊4)農業用ハウス設置コスト低減のための事例集」を参考にして欲しい。
本記事では、見える化サービスと環境制御装置の重要性と選び方の要点を紹介した。自身の導入目的を明確化して、経営規模にマッチした製品・サービスを選んで欲しい。それができれば、収量増・コスト低減・労働効率向上を実現してくれるはずだ。