天候を気にせず新鮮トマトを安定収穫!
コンピュータ制御により、天候に左右されずトマトを計画的に安定生産できる植物工場。そこで活躍するのが、光の波長を自由に変えられるLEDだ。トマトが育ちやすいLED波長を効率的に当て続けることで成長を早め、栄養価の高いトマトを育てられる。また熱エネルギー放出量が比較的少なく、植物工場内の温度をコントロールしやすい。そのため、空調コストを抑えて最適な環境条件を維持でき、1年を通じて新鮮なトマトを安定的に収穫できる。
また、LEDは植物の近くに設置できるため、工場や都市といったスペースが限られた狭い場所でも高層式栽培ラックを使えば、スペースの有効活用で栽培面積を増やして生産効率を向上できる。
最近は温室などで太陽光で温湿度を調節しながら栽培する太陽光利用型ハウスでもLEDの導入ニーズが高まっている。日照が不足した場合、補光としてLEDを使えば植物の生長を促せるからだ。
LEDライトを導入する3つのメリット
1. 電気代を削減できる!
LEDは光源が長寿命というのが最大のメリットだ。点灯と消灯を繰り返しても寿命に影響がほとんどなく、白熱電球や蛍光灯と比べて消費電力が少なくて済む。一般の蛍光灯に比べて価格が高くイニシャルコストはかかるが、電気代が半分以下になるケースもあり、長い目で見ればランニングコストを大きく下げられる。
2. 適度な温度を実現!
トマトを育てるには十分な量の光源が必要だが、蛍光灯やナトリウムランプは放熱が多く、生育を阻害してしまうケースもある。その点、LEDはほとんど発熱しないため、明け方、夕暮れ時に補助光として明るさを上げてもハウス内が必要以上に温まることがない。
3. 防虫効果で効率UP!
殺虫剤や農薬を散布すれば害虫は駆除できるが、同じ種類の薬剤を何度も使用すると害虫が耐性を得て効果が落ちるケースがある。LEDはもともと害虫を防除する作用があるため、トマト栽培で虫の発生を抑えられる。その性質を応用したアザミウマ、吸汁夜蛾、ヨトウムシなどの害虫を防ぐ商品もある。
LEDを上手に活用すればトマトの生産効率アップにつながる。その一方で各種仕様や特性の表示などがメーカーごとに異なっているため、導入前にしっかりと各メーカーに確認することが大切だ。