いちご農家さん向け農薬・肥料・土壌改良剤・バイオスティミュラントの選び方

イチゴをリスクから守り、健やかに育てる資材



適切な量の水と肥料、CO2を適切なタイミングで与えることで、イチゴの健やかな育成が促される。ハウス内環境の観測と、こまめな潅水や施肥が良質なイチゴを作るうえでのポイントとなるが、土壌の質もイチゴの品質を左右する。苗を定植する前に十分に土づくりを行い、定植後は土壌の状態に合わせて施肥を行うのが大切だ。また、病気を引き起こす微生物や害虫からイチゴを守る農薬は、イチゴづくりの現場では必要不可欠となる場合が多い。
現在、イチゴの栽培を助ける農業資材として、さまざまな種類の肥料や農薬、土壌改良剤、バイオスティミュラントが市場でラインナップされている。しかし、配合されている成分、効果などが製品によって異なるため、どれを選ぶべきかとつい迷ってしまうはずだ。また、ハダニ類の天敵となるチリカブリダニやミヤコカブリダニ、ミツバチなど、有用な生物を圃場に導入しており、農薬や肥料の成分にいっそう気を遣っている農家も多くいるだろう。
ここで、イチゴ用の農業資材を選ぶ際のポイントを見直しながら、自社の圃場でグッドパフォーマンスを発揮してくれる一品を選ぼう。



1. イチゴ向け肥料の選び方

適宜、肥料を土壌に散布することで、イチゴを育てるうえで理想的な環境を作り出すことができる。しかし、土壌や作物の状態を把握しないまま肥料を与えると、塩類障害をはじめ、生育不良の原因となる現象が起きてしまう。事前に土壌診断を行うこと、むやみに肥料を与えないことが大切だ。なお緩効性肥料や有機質を含む肥料など、塩類障害が起きづらい肥料もある。

2. イチゴ向け農薬の選び方

うどんこ病、灰色かび病、ハダニ類、アザミウマ類など、イチゴの生育や品質に悪影響を与える病気や害虫は複数存在する。こうした病虫害を抑えるのが農薬だが、ポイントを押さえながら使用したい。
たとえば、イチゴの受粉を助けるためミツバチを導入している圃場では、開花を迎えるまでに病虫害の防除をほぼ済ませる必要がある。開花後に農薬を使用する場合は、薬剤の成分をよくチェックし、ミツバチに影響がないものを選ぶようにしたい。

3. イチゴ向け土壌改良剤の選び方

土壌の性質に変化をもたらし、収量のアップなどに貢献するのが土壌改良剤だ。土壌改良剤に該当する資材は幅広く、「肥料取締法」のもとでは肥料にあたるもの、「地力増進法」で指定されているもの、いずれにも該当しないものもある。
なお土壌改良剤には、イチゴの免疫力を高め、病気にかかるリスクを減らす効果も期待できる。農薬を散布する機会を減らしたいイチゴ農家は、土壌改良剤にこだわってみては。


4. イチゴ向けバイオスティミュラントの選び方

バイオスティミュラントは、農薬、肥料、土壌改良剤のいずれにも当てはまらない、新しい農業資材だ。高温や低温、物理的な被害といった非生物的ストレスを制御し、農作物にかかるストレスを軽減するため、収量減少を抑える効果が期待できる。バイオスティミュラントの場合、土壌における改善点と製品の作用がマッチしており、散布タイミングが適正であることで、効果が最大限に発揮される。土壌の改善点をしっかりと把握したうえで資材を選び、ベストなタイミングで散布するのが大切だ。

圃場の状態に合った土づくりと、適切な農薬・肥料の散布を行うことで、高確率でいい結果が得られる。気になる製品があったら、気軽にメーカー担当者に問い合わせてみるのがオススメだ。