土壌改良の強い味方! 「フルボ酸」の効果とは?

作付けを行うたびに、失われてしまう土壌の「地力」。放っておくと、病害が多発し、収量が安定しなくなってしまう。そこで覚えておきたいのが、土壌微生物の増殖や植物の活性化に役立つ腐植物質「フルボ酸」だ。

豊かな土壌に不可欠な
腐植物質とは?


植物は本来、豊かな土地のうえで良く育つ。しかし、農業では、農地で育った作物を収穫して外に持ち出すたびに、土壌を元気にしてくれる「腐植物質」も同時に失われてしまう。

腐植物質は、枯れた樹木や草、落ち葉など有機物を微生物や菌が分解して行く過程でできるさまざまな化合物の複合体で、中でも代表的なものは「フミン酸」や「フルボ酸」と呼ばれる成分。

「フルボ酸」で地力回復
植物の吸収力向上を実現


このうちフルボ酸は、中性の液体(一般的な水)に溶けやすい性質があり、天然腐植物質にのみ含まれる。自然界では海の植物プランクトンが育つのに不可欠なミネラルを供給していると言われている。そしてこの成分が、土壌微生物の増殖や植物の活性化にも大いに役立つのだ。

フルボ酸は、ミネラルや微量要素をキレートして、植物の肥料やミネラルの吸収を助ける。そして、発根を促進することで、ストレスに強い作物が育つ。また、土壌の有用菌を増やすことで、フザリウムや病害センチュウといった土壌病害を抑制する効果もある。

農業における王道は「土づくり」。そこを見直したい人にとって、「フルボ酸」は最も注目すべき成分の一つといえるだろう。