水稲除草剤の正しい選び方・上手な使い方

収量と品質の安定化に欠かすことのできない水稲除草剤。各メーカーからさまざまな製品が発売されているだけに「本当に効果のある除草剤はどれなのだろう」と疑問を持つ方も少なくないのではないだろうか。そこで、水稲除草剤の正しい選び方と上手な使い方について、あらためておさらいしておこう。

まん延させてからでは遅い水田の雑草
水田に発生する雑草は、光、水、肥料、生育場所の競合により水稲の生育を阻害し、収量や品質を低下させる。しかも、それらを放置すると翌年はさらに大量の雑草が発生するばかりか、病害虫の温床になるといったリスクも。

そんな水田の雑草は、大きく「一年生雑草」と「多年生雑草」に分類することができる。一年生雑草は種子が発芽してから枯れるまでを一年間のサイクルで終えるもの。代表的な雑草がノビエ、コナギなど。

一方、多年生雑草は地上の草が枯れても地中の栄養繁殖期間が残り、複数年にわたって生き続けるものをいう。オモダカ、クログワイ、イヌホタルイといった雑草が代表的な雑草として知られる。

この厄介な雑草を効果的・効率的に防除するための切り札が水稲除草剤だ。近年では除草効果の向上はもちろん、施用労力の軽減、散布適期の拡大など、生産者の声に耳を傾けながらさらに進化し、高収量・高品質の実現に欠かせないものとなっている。水稲除草剤を正しく選び、上手に使うことは、すべての水稲生産者にとって共通の課題と言えるだろう。

処理時期に応じた3種類の水稲除草剤
ひと口に水稲除草剤といっても、処理時期によって適切な種類が異なる。すなわち、水稲除草剤の正しい選び方とは“使用時期に応じて使い分ける”と言い換えることができるのである。

◎初期除草剤
代かき後から田植え7日前、または田植え時から田植え後約5日(ノビエ1~1.5葉期)までに使用する水稲除草剤。主にノビエの防除が目的であり、残効期間は15日〜25日程度と短い。

◎一発除草剤
水稲移植直後からノビエ3葉期ごろまでに使用する水稲除草剤。雑草の発生が少ない水田には初期一発除草剤が、平均的な水田には初中期一発除草剤が選ばれる。残効期間が30日~50日ほどと長く、一年生雑草から多年生雑草まで広範囲の雑草に効果がある。

◎中期・後期除草剤
田植え後15日以降に使用できる除草剤。雑草の発生が多い水田や、ヒエ類などが見られる場合などに散布する。地域によって、初期除草剤、一発除草剤などと組み合わせた体系処理が推奨されている。

【水稲用除草剤】取り扱い一覧

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効果を100%引き出す上手な使い方
水稲除草剤の効果を最大化するには、前述の通り初期除草剤、一発除草剤、中期・後期除草剤を組み合わせた体系処理が効果的だ。それを前提に、水稲除草剤を上手に使いこなすためのコツを心得ておこう。

◎田面を均等に整え適切な水深を保つ
除草剤は水の中で拡散するため、土壌が露出していると十分に効果を発揮できない。丁寧な代かきにより田面を均等に整えること、水管理の徹底により適切な水深を保つよう心がけたい。

◎水稲の浅植えに注意する
水稲苗の生長点は茎の地際近くにあるため、基部が土中に入らず浅植えの状態になると除草剤の薬害が出やすくなる。植え付け深度に注意しながら、丁寧な代かきをすることが大切。

◎降雨前や強風時の散布は避ける
茎葉部から吸収される除草剤の場合、散布液が乾くまで数時間は降雨を避ける必要がある。処理日は天気予報を事前に確認し、数日間は雨や強風に見舞われる恐れのない日を選ぼう。

◎状況に応じて複数回処理する
多年生雑草など防除の難しい雑草が多い場合、一回の処理では十分に除草効果を発揮しないことがある。そのような場合は除草剤の残効期間を考慮しつつ、複数回の処理を検討したい。

農薬登録された水稲除草剤を選ぼう
除草剤には農薬として登録されている製品と、農薬として登録されていない製品の2種類がある。

◎農薬登録のある除草剤
農作物や樹木・芝・花きなどの栽培・管理(家庭菜園やガーデニングなど個人での使用も含まれる)を目的として使用される除草剤。容器・包装に『農林水産省登録〇〇〇〇○号」の記載がある。

◎農薬登録されていない除草剤
道路、駐⾞場、グラウンドなどに使⽤される除草剤。これら除草剤を農作物などの栽培・管理に利用することは法律で禁止されており、容器・包装などに農薬として使用することができない旨の記載がある。

農薬はその名の通り、農作物に使用されるものである。国が人の健康や環境への影響を評価し、問題がないと判断されたものが農薬登録された製品なのだ。水稲除草剤を選ぶ際は、くれぐれも登録外のものを購入しないよう注意したい。

最後に──
今回は水稲除草剤の正しい選び方と上手な使い方について紹介してきた。しかし、それと同じかそれ以上に大切なのが「安全に使う」ということである。規定の希釈倍数、使用量、使用時期、使用回数、注意事項の遵守、周辺の田畑や住宅へ飛散させないための配慮などは、生産者の義務であり責任なのだから。それを忘れることなく、雑草のない美しい圃場づくり、ひいては消費者に喜ばれる米づくりに邁進していただきたい。

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