農業用ハウスを利用することで、トマト、キュウリ、イチゴ、ナス、パプリカといった多様な作物を露地栽培よりも長い期間、あるいは露地栽培では不可能な期間にも育てることができる。また生育環境を人為的に制御しやすいことから収量を上げやすい。一方で、経営規模とマッチしないハウスを建ててしまうと利益を得るのが難しくなる。最も大切なのは、その見極めである。
農業用ハウスは骨格の素材により、パイプを骨材とするパイプハウスと、鉄骨を骨材とする鉄骨ハウスに大別できる。また外面被覆材にも、軟質フィルム、硬質フィルム、ガラスなどの種類がある。それぞれの特徴を把握したうえで選んで欲しい。
農業用ハウスの選び方
1. 栽培計画に応じて基本構成を決める
施設園芸で成功するには、適正なハウスを建てることが重要だ。何時、どの地域で、何をどれ位作ると幾らの収入になるのか。事前に栽培計画を立てよう。それによって求められるハウスの大きさ、棟数、ハウス内の設備が決まる。栽培計画ができたら、それに応じて単棟か連棟か、軒高、棟方向、換気窓の構成、骨格素材、外面被覆資材などを決めて行けば良い。
2. 骨格素材と外面被覆素材に注意
ハウスは骨格の素材により、パイプハウスと鉄骨ハウスとに大別される。一般的には鉄骨ハウスの方が強度と対候性が高く、軒高を高くするにも有利だ。パイプハウスでも工夫を凝らして実用充分な強度を出している製品も多く、比較的安価なのがメリット。外面被覆材は、ガラス、硬質フィルム、軟質フィルムに大別できる。ガラスと硬質フィルムは光線透過率が高く、耐久性も高い。軟質フィルムは光線透過率、耐久性ともにガラス、硬質フィルムと比較すると劣るものの、比較的安価だ。ただし、頻繁に張り替えが必要であり、その労力も掛かる。
3. 環境制御設備を含めて検討する!
基本構成を決めるに当たり、何をどのくらい栽培したいのか、を明確にした。それに必要となる環境制御設備等の費用も予め予算に含めておく必要がある。養液栽培を行うならば、ベッドや潅水装置が必要だ。土耕栽培であっても、カーテン、暖房装置、CO2施用機、循環扇、環境制御システムなどには少なからぬコストが掛かる。ハウス建設時には、これらのコストも見込んでおこう。
オススメの農業用ハウス
自身の経営にマッチした農業用ハウスを建てることができれば、必ず投資に見合った利益を上げることができる。それには事前に入念な栽培計画を立て、何時、何処で、何を、どれくらい栽培すると幾らの収入が見込めるのか、を明確にしておく必要がある。それが出来れば、栽培計画に見合ったハウスを建てることができるはずだ。