夏の農作業は要注意!【熱中症かも】と思ったときの対策方法

酷暑が続く毎日の農作業の中で何より怖いのが熱中症。農水省の発表によると、農作業中の死亡者数は、毎年20人前後で推移し、70~80代の方が屋外作業を行うときに集中して発生しているという。

ベテランの農業従事者でも油断禁物だ。熱中症の具体的な症状が分からず、知らず知らずに熱中症にかかっているというケースも多いという。特に高齢農業従事者は発汗量が多く脱水しやすいため、注意と対策が必要だ。

1 注意するべき4つのこと
①日中の気温の高い時間帯を外して作業を行う
特に70歳以上の方は、のどの渇きや気温の上昇を感じづらくなる。高温時の作業は極力避けよう。また、湿度の高い環境も避けた方がよい。温度計、湿度計で作業環境を確認しよう。

作業場所に日よけを設けるなど、できるだけ日陰で作業をするようにしよう。特にビニールハウスなどの施設内は風通しが悪く、早い時期、早い時間から暑さ指数が高くなるため、風通しを良くしたり断熱材を活用したり工夫しよう。

②作業前・作業中の水分補給、こまめな休憩をとる
のどが乾いていなくても20分おきに休憩し、 毎回コップ1~2杯以上を目安に水分補給しよう。足がつったり、筋肉がピクピクする症状がみられたら、0.1~0.2%程度の食塩水(1Lの水に1~2gの食塩)、スポーツ飲料、 塩分補給用タブレットを摂取しよう。 休憩時は、日陰等の涼しい場所で休憩しよう。

③単独作業を避ける
作業は2人以上で行うか、時間を決めて水分・塩分補給の声かけを行うなど、定期的に異常がないか確認し合うようにしよう。

④熱中症予防グッズを活用する
屋外では帽子、吸汗速乾性素材の衣服、屋内では送風機やスポット クーラーなどを活用しよう。

2 熱中症を疑う場合の対処
① 涼しい環境への避難
・熱から身を守れる環境へ避難しよう。
・できればクーラーが効いている室内などに避難することが望ましい。

② 脱衣と体温冷却
・衣服を脱がせて、体から熱を逃がそう。
・重症者を救命できるかどうかは、いかに早く体温を下げることができるかにかかっているので、早急な対処を心がけよう。

③ 水分・塩分の補給
・冷えた水で、水分を補給しよう。
・大量の発汗があった場合には、汗で体内の塩分が失われている状態だ。経口補水液やスポーツドリンクなど、水分と共に塩分も補給しよう。
・呼び掛けや刺激に対する反応に異常がある場合や、呼び掛けに応えない状態の水分補給は、誤って水分が気道に流れ込む可能性がある。また、水分補給しても吐き戻してしまう状態など、これらの場合は水分補給が禁物となる。

④医療機関へ運ぶ
・自力で水分の摂取ができないときは、点滴で補う必要があるので、緊急で医療機関に搬送することが最優先の対処方法だ。