土づくりを重視すれば、米の質が変わる!
昨今、異常高温をはじめとする異常気象が各地で確認されているが、異常気象に負けない稲をつくるうえで有効な手立てとなるのが、土づくりだといわれている。また、土づくりと並び、農薬も農業の“要”といえる。雑草や有害なウイルス、昆虫などから稲を守る農薬は、米づくりにおいて必要不可欠となる場合が多い。
現在、米の栽培を助ける農業資材として、さまざまな種類の肥料や農薬、土壌改良剤、バイオスティミュラントが市場でラインナップされている。しかし、配合されている成分、効果などが製品によって異なるため、どれを選ぶべきかとつい迷ってしまうはずだ。
大切なのは、土壌分析や作物の生育状況の観察をとおして圃場の状態を見極めること、製品を選ぶ際のポイントを押さえておくこと。土壌や作物にとって必要な成分が含まれた、より優れた一品を選ぼう。
お米農家さん必見! 農業資材の選び方
1. お米向け肥料の選び方
肥料を土壌に散布することで、作物を育てるうえで理想的な環境を作り出すことができ、結果、良質な作物が育ちやすくなる。また、収量が変動しやすい、秋落ちを起こしやすい、といったデメリットを解消することも可能だ。肥持ちの悪い圃場にはベントナイトを、秋落ちが生じやすい圃場にはマンガンを、といった具合に、性質に応じて施肥を行なおう。なお、代表的な肥料として、窒素とリン酸、カリが挙げられるが、稲は多くのケイ酸を必要とする。
オススメの米向け肥料
2. お米向け農薬の選び方
水稲にとって害となる雑草、昆虫などを防除する役割をもつのが農薬だ。とくに雑草は必ず発生して水稲の健やかな生育をはばむうえ、米の品質を悪くするため、こまめに除草剤を使って取り除く必要がある。しかし、除草剤をはじめとする農薬を使用する際、その使い方に注意したい。農薬は、場合によっては生物や環境に悪影響をもたらす場合があるため、「登録制度」によって安全性が確保されているのはもちろん、環境への配慮がある製品を選ぶのがオススメだ。
水田でも使える農薬の選び方
3. お米向け土壌改良剤の選び方
土壌の性質に変化をもたらし、収量のアップなどに貢献するのが土壌改良剤だ。土壌改良剤に該当する資材は幅広く、「肥料取締法」のもとでは肥料にあたるもの、「地力増進法」で指定されているもの、いずれにも該当しないものもある。土壌の団粒化を促進させる「合成化合物」、病害虫の抑制などの効果がある「微生物資材」、鉱物を主原料とし、土壌を化学的に改良する「鉱物質資材」など、さまざまな種類があるため、効果や目的を見極めたうえで最適な資材を選ぼう。
4. お米向けバイオスティミュラントの選び方
バイオスティミュラントは、農薬、肥料、土壌改良剤のいずれにも当てはまらない、新しい農業資材だ。高温や低温、物理的な被害といった非生物的ストレスを制御し、農作物にかかるストレスを軽減するため、収量減少を抑える効果が期待できる。バイオスティミュラントの場合、土壌における改善点と製品の作用がマッチしており、散布タイミングが適正であることで、効果が最大限に発揮される。土壌の改善点をしっかりと把握したうえで資材を選び、ベストなタイミングで散布するのが大切だ。
オススメのバイオスティミュラント
土づくりの成果は、米の質や収量に大きく反映される。土壌と相性のいい資材を選び、適切に土をつくることで、面白いほど効果が現れるはずだ。