高所作業台車の選び方

トマト、キュウリ、パプリカなどの施設栽培では、ハイワイヤー栽培を行う生産者が増えてきている。そこで必要なのが高所作業台車。ここでは、その選び方のポイントを紹介しよう。

高所での管理作業の効率を上げる


トマト、キュウリ、パプリカなどの群落が大きくなる施設園芸作物の栽培においては、作物を上へと育てるハイワイヤー栽培を行うことで、単位面積当たりの収量を増やすことが可能となる。そのため近年は軒高の高いハウスでハイワイヤー栽培を実施する生産者が増えている。人の手が届かない高さまで作物を育てるのだから、そこで管理作業を行うには足場が必要となる。それを提供するのが高所作業台車だ。安全性を確保したうえで、スムーズに操作できる高所作業台車を使用することで、管理作業の効率がグッと高まる。
高所作業台車はハウス建設時に他の設備と同時に導入を検討するのがベストだ。特に電動走行する台車の場合、レール上を走行することになるため、ハウス内のスペース効率や作業効率を事前に考慮して、どの機種を導入するか決めると良い。一方で、ハウス建設後に追加で導入する場合は、レールの設置方法等に充分な配慮が必要となる。高所作業台車には、走行や昇降が電動式のものと手動式のものが存在している。また、作業するステップが長いほど管理作業を行ううえでは有利となるが、一方で取り回しは難しい。以下に選び方を示すので、参考にしてほしい。

1. 安全性とメンテナンス性が大切
言うまでもないことだが、高所作業台車は高所で作業するためのもの。高所での作業には危険がともなう。だから最優先すべきは安全性である。充分な強度が確保された製品を選ぶべきだ。素性の分かるメーカー製品を選べば間違いない。誘引ワイヤーをより高く設定するなら、より安定性の高いレール式を採用して欲しい。

2. レール式かタイヤ式か
高所作業台車は、移動方法によってレール式とタイヤ式とに分類できる。レール式はその名の通り作業台車がレール上を移動する。タイヤ式と比較して安定性が高く多くが電動走行式なので機能性が高い反面、ハウス床面にレールを配置する必要があるため設計段階で入念な検討が必要であり導入コストが高い。タイヤ式はコスト面で導入しやすく、小回りが利きやすいが、安定性にはやや劣る。

3. 作業台の長さに配慮すべし
作業者が立つステップが長ければ台車全体を移動する手間が省けることから、効率的に作業することができる。ところがステップが長いモデルは製品全体が大きくなり、取り回しは難しくなる。自身のハウスで使える最長の台車の寸法を割り出し、事前にシミュレーションしておくと良いだろう。

作業台車


ハウス内管理作業台車 GW-41

2021年8月よりハウス内管理作業台車はモデルチェンジを行い、コンパクト設計で3,080mmまで上昇するGW-41を販売いたします。




ここで紹介したように、高所作業台車にはレール式とタイヤ式、電動式と手動式など様々なタイプが存在しているが、最優先すべきは安全性だ。そのうえで自身のハウスにピッタリな高所作業台車を選んで欲しい。なお、高所作業台車は毎日使う製品だから、メンテナンス性やサポート体制も大切だ。購入前にメーカーとコンタクトして、間違いのない製品選びをしてほしい。