清掃作業の効率を向上させる
既に農業用掃除機を使っている、という農業生産者が多数派ではないだろうか。農作物の選定や出荷を行う作業場等の清掃のみならず、夏場になると多くの農業生産者は刈払機等を用いて草刈を行う。その刈った後の草を集めるのに大活躍するブロワーも掃除機の一種だ。またハウス内の清掃には専用機を利用すると効率がグッと上がる。
作業場やハウス内の清掃は、昔ながらの箒(ほうき)で出来ないことはない。刈払後の草集めは熊手を使うことも出来る。が、掃除機を使うことで、効率は飛躍的に上がる。機械の力を借りることで面倒な清掃作業をササっと片付けて、空いた時間は他の作業に時間を使おう。農業用掃除機は、掃除のためというよりは、時間を作るために存在しているのだ。
1. エンジン式かバッテリー式か!
農業で使う掃除機の代表格がブロワーである。動力を利用して強風を吐出して、その風でゴミや刈った草、落ち葉や埃(ほこり)などを集めて、清掃作業をラクにしてくれる。一般的には、その動力にはエンジンが使われている。エンジン式は強い風を出しやすく比較的安価であるが、燃料管理に手間が掛かる。近年増えて来ているのがバッテリー式だ。フル充電しておけば、作業場の清掃などは余裕でこなす。プロ仕様のバッテリー式であればパワーも充分。予備バッテリーを用いれば、ほぼエンジン式と同等の作業をこなせるうえ、燃料管理から解放される。またエンジンが発する騒音もないので、住宅地に近い農地では活躍しそうだ。ただし、ちょっと高い。家庭用とも呼べそうなハンディタイプも市販されている。これは箒の代わりには充分だが、屋外での作業には力不足だ。
2. 手持ち式か手押し式か!
施設園芸においてはハウス内を綺麗にしておくことが大切だ。それには掃除機が欠かせない。大規模施設園芸ともなると、清掃作業は大変だ。一般的なブロワーは手持ち式だが、大規模ハウスでは手押し式を選ぶ手もある。高所作業台車が乗るレールを活用するタイプなら、清掃作業も簡単ではかどる。手持ち式で事足りるのか、手押し式を導入するのか。ハウス面積と相談して決めると良いだろう。
3. 集塵機を使う手もある!
作業場の清掃に特化した掃除機が必要ならば、集塵機を使ってみてはどうだろう? ブロワーが風を吹き出して掃除するのに対して、集塵機は大量の空気を粉塵ごと吸い込んで綺麗な空気に変える。一般的な掃除機と比較して目詰まりしにくく、また吸引力が衰えにくい、という特徴もある。湿式の業務用集塵機を選択すれば、水や油ですら吸引することができる。これはブロアーや掃除機では不可能な作業だ。
農業用掃除機
ここでは簡単に掃除機の選び方を説明したが、大切なのは自身が使うシーンを明確にしておくこと。それによって適した掃除機は変わってくる。自分にマッチした掃除機を選んで、農業をもっと楽に、そして楽しくして行こう!