農薬の選び方

農薬は農作業を効率化し、作物を病害虫や雑草から守ってくれる、農業生産者の強い味方だ。ここでは、そんな農薬について概説しつつ、選び方のポイントを簡潔に紹介しよう。

自身の土地に適した肥料を正しく使おう



農業生産において農薬は必需品だ。農地は自然界とは異なる。自然界とは比較にならない密度と頻度で作物を育てるため、放っておくと病害虫が蔓延してしまう。また、雑草を適宜除去していかなければ、作物の良好な生育は望めない。そこで使用されるのが農薬である。一般的に、無農薬・減農薬栽培で慣行農法と同等の収量を確保するのは難しいとされている。実際、日本植物防疫協会が行った過去の調査では、水稲は農薬を使用しないと収量が28%減少する、という結果が出ている。

日本において農薬は、農薬取締法において定義されている。「農薬は、農作物等を害する菌、線虫、だに、昆虫、ねずみその他の動植物又はウイルスの防除に用いられる殺菌剤、殺虫剤その他の薬剤および農作物等の生理機能の増進又は抑制に用いられる植物成長調整剤、発芽抑制剤その他の薬剤をいう。また農作物等の病害虫を防除するための天敵も農薬とみなす」、とされており、実に幅広い。

以下に農薬の選び方のポイントを示して行くが、これだけ多くの機能を持った薬剤・生物・微生物が含まれるのが農薬だから、個別の作物や症状に対するおススメ品を示すのは困難だ。考え方の基本を提示したい。

農薬の選び方



1. 病害虫の原因を正しく見定める
当然のことながら、農薬は目的があるから使用する。その目的と合致した農薬を使用しないと、求める結果は得られない。病害虫の原因を正しく見定める。それが何よりも重要となる。一般的な病害虫対策であれば、都道府県の病害虫防除所が発表する予報(月報)を定期的に覗いて欲しい。病害虫名と使用する薬剤例、防除のポイントまで記載されている場合があるので参考にしやすい。自身の作物の症状と病害虫防除所の予報を見比べて、原因を正しく見定めて欲しい。

2. 複数の農薬を用意しておく
当初は効いていた農薬が効き難くなってきた……という場合に考慮すべきは、病害虫の薬剤抵抗性だ。繰り返し同じ薬剤を散布すると、病害虫が抵抗力を身につけて、農薬が聞き難くなることがある。そうなる前に、あらかじめ対策しておくと良い。一つの病害虫に対して、作用機序(有効成分)の異なる複数の農薬の使用すること、である。知っている人にとっては今更だろうが、その具体的な使用方法は、県ごとに出されている防除指針が参考になる。地域のJA等の指導機関に相談すると良いだろう。

3. 作業のしやすさを考慮して選ぶ
農薬は病害虫防除や除草などを「効率的に」行うためのもの。だから散布する効率を考慮して選ぶべきだ。効果的な農薬であっても、散布・管理等の作業が大変では元も子もない。同等の効果が得られて散布がラクな農薬があるならば、そちらに切り替えれば良い。農薬は製剤方法によって、液剤・粒剤・乳剤・エアゾール等に分類される。その違いによって作業負担は異なる。農薬選びの際には、作業のしやすさも考慮しておくことをオススメしたい。

4.新しい技術を試してみる
最近はドローンによる農薬散布や、生物農薬、総合防除など、これまであまり一般的ではなかった手法、考え方が登場してきている。これらが各農業生産者のニーズに合致するのか、コストメリットが生まれるのか、といった具体的な事柄は本人が調べてみない限り分からない。新しい技術を取り入れることで、より効率的な防除ができる可能性もある。恐れず試してみてはいかがだろうか?

本記事では、農薬の重要性と選び方の要点を紹介した。参考にして、より効率的な農薬選びをして欲しい。なお、当然のことながら、農薬にはそれぞれ、効果を得るため、また安全性を担保するため、正しい使用方法が記載されている。それを遵守することは何よりも大切だ。散布前に今一度、確認しておくと良いだろう。

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