環境制御システムの選び方

インターネット環境整備と端末の普及を追い風に、環境制御システムの導入が凄い勢いで 進んでいる。ここでは、その選び方のポイントに要点を絞ってご紹介しよう。

環境制御で増収を目指そう!



環境制御を行えば、収量を増やしコストを減らすことができる。植物の成長には、光・二酸化炭素・水と栄養が必要だ。温度、湿度、気流なども成長に影響を与える。環境制御の第一歩は、これらパラメータのうちの地上部分を把握すること=環境測定=ハウス内環境の見える化である。

測定により得られたデータを見ながら、ハウス内をより植物の成長に適した条件にする。それが環境制御である。これを行えば、植物はスクスクと成長するから収量は増える。またカーテンや天窓、冷暖房機やCO2施用機などのハウス内設備の効率的稼働も可能となる。資源と労力の無駄がなくなるから、コスト低減と労働効率向上とが実現する。

そんな良いことずくめのはずの環境制御システムだが、なかなか日本では根付いて来なかった。既存製品は容易には導入できないほどに高価で、機能面も未成熟であった。そんな状況が今、変わろうとしている。インターネットと携帯端末の普及を追い風に、現実的な価格ながらも高機能なサービスが続々と登場しているのだ。


環境制御の選び方



1. 経営規模にマッチした製品を選ぶ
優れた製品であっても、経営規模にマッチしていなければ増収に結びつかない。施設園芸協会の資料「(別冊4)農業用ハウス設置コスト低減のための事例集」p.46に選び方の基本が示されているので是非参考にして欲しい。


2.使い勝手の良いものを選ぶ!
各社のサービスの使い勝手は、製品の間でかなり差がある。自身の使い方に適したシステムを選定すると良い。クラウドを利用したデータ管理・閲覧については、各社によって使い勝手のみならず費用の幅がある。事前に確認しよう。

3. サポート体制を確認しておこう!
環境制御システムは、それを使いこなし増収を実現して初めて意味がある。それにはメーカーによるユーザーサポートが欠かせない。具体的な問い合わせに答えられるサービスマンのいるメーカー製品を選ぶと良いだろう。


環境制御システム関連製品


アグリーフ®FC3040(600坪用)

暖房機の排気ガスに含まれるCO2を浄化して貯留。光合成が盛んになる日中に、貯蔵しておいた常温のCO2を局所施用する装置。

ビニールハウス内環境測定システム:制御ノード/換気制御ノード

制御ノードは暖房機、CO2発生器、灌水システムなど、換気制御ノードはカーテン、換気システムなどを自動制御します。

コンダクターTNCS5000

水、光、CO2…作物に大切な要素を“指揮”する光合成効率促進装置「コンダクター」。センサによって栽培環境を制御します。

ビニールハウス内環境測定システム:測定ノード

温度、湿度、CO2濃度、飽差などを測定し、測定データは自動でクラウドにアップされ、お手元のスマホやPCからいつでもどこでもデータを確認できます。


環境制御盤 ウルトラエースシリーズ

温度や湿度といったハウス内のデータを把握し、制御できるグリーンハウス用制御盤。スマホなどを使って、遠隔地からも操作可能。



今や環境制御システムは、大規模施設向けのサービスではなくなった。小規模から使える安価で便利なサービスも登場している。自身の経営規模にマッチした環境制御システムを選んで、農業をもっとラクに、そして利益の出るものにして欲しい。